私は大学を卒業し、就職するまでにアルバイトの経験もなく、始めた就いた仕事がスイミングインストラクターでした。簡単に言えばスイミングスクールのコーチです。

仕事内容は3歳~小学6年生までの水泳指導や成人を対象に水中運動を教える事でした。インストラクターという事でもちろん水泳経験があり、4種目泳げるというイメージだと思います。

しかし、私は水泳経験もなく、むしろ苦手でせいぜいクロールで25m泳げる程度でした。入社前の話では水泳未経験でもOK、3~6歳の小さいお子さんのクラスで水慣れや簡単なバタ足の指導を担当してもらうという事でした。

私は保育士になりたかったのですが学校に通うお金もなく、子どもに携わる仕事としてこの職業を選びました。しかし、蓋をあけてみると全く違ったのです。

ちゃんとした研修もないまま、中学生の平泳ぎやバタフライを泳ぐクラスにサブコーチとして入れられました。メインコーチが指導してる中、補助の仕方も分からずただ教えてるフリをするのです。

保護者は二階のガラス張りの窓からズラーと並び練習風景を監視しています。

こんな未経験者が、平泳ぎやバタフライが泳げないコーチがそれを指導しているのです。その罪悪感で押しつぶされる毎日でした。もちろん自分自身、練習もしました。

しかし朝8時から夜8時前までプール内で動き回り、その後からの練習は本当に辛かったです。明日も保護者や泳げる同僚からの視線に怯えながら働くと考えると、行きしの車内で涙が止まりませんでした。

辛い仕事でしたが時間が過ぎるのは早く、一年経ち、私もバタフライは泳げませんがクロールや平泳ぎ、背泳ぎは教えれるレベルになりました。この頃から子どもたちに◯◯コーチと呼ばれる事に喜びを感じ、やりがいを感じる事もできました。

しかし、乗り越えられない壁が私にはありました。それは成人コースでの指導です。

相手は私より年上40~60歳の方が在籍するクラスを指導することになったのです。若いコーチというだけで信用性に欠け、その上知識も経験も少ない事など大人相手にすぐ見透かされました。

私は上司に言いました。なぜこんな素人の私がお金をわざわざ払って通われる会員様にままならない指導をするのか。申し訳ないし、自身もないと。

返された言葉は人員が足りないから仕方ない。もっと練習して泳げるようになれば問題ないだろう。

勤務しているスイミングスクールでコーチが泳ぎの練習をする事は禁じられています。建物は外からもプールの様子が見えるので、会員に見られるとまずいというのです。

私は仕事が終わり、その足で別のプールに通い練習していました。もちろん近くのプールだと他の会員と鉢合わせる可能性がある為、車で40分離れたプールを利用していました。

給与も少ない為、コーチをつける事は金銭的に厳しく、動画や本を使い自己流で練習しました。

練習時間もあまりとれず、なかなか上達せず、体力的にも精神的にも本当に辛かったです。

精神が病むと身体も病みます。私は塩素のアレルギー反応が出るようになりました。

プールに入ると身体中に湿疹がでて、ついには顔にまで出るようになりました。保護者や会員には湿疹はうつりませんと言って回り、約3年経ちました。限界でした。

私はついに3年目、退職願を出しました。努力はした、私は頑張ったと言い聞かせました。もっと早く辞めれば良かったと思いました。

そして新しい仕事を探し、アパレル販売員のアルバイトから始めました。今は正社員にもなれ、毎日楽しく働いています。あのインストラクターの3年間、もがき苦しんだけど

おかげで忍耐力や努力することが身につきました。

現在、今の仕事が辛くて苦しんでいるならもっと視野を広げてみてください。なりたくてなった職業、でも現実は違った。そんな事ばかりです。

だけど今よりマシな職業はきっとあります。多少しんどくてもあの頃よりはマシだなと思うと頑張れたりします。

人間関係もそうです。最悪な人間関係の環境を経験したのなら、次に就く仕事がほんの少し、あるいは断然マシに思えるものです。

辛くて泣きながら稼ぐお金と少しでも笑って稼げるお金があるなら、絶対後のほうがいいですよね。

まずは今の環境から出てみてください。私もそうしましたから。