入社し半年が経ってこの仕事を辞めたいと思うようになりました。このままでは自分の精神が破滅してしまうと感じたのです。

自動車保険のコールセンターの仕事ですが私のいた部署はロードサービスです。事故や故障のあった場合、お客様から電話があります。

お客様から現場の状況(車の破損状況、現場住所等)を伺い迅速にレッカー車を手配しなくていけません。

しかし事故後や渋滞中での故障と言う状況でお客様はかなり動揺されています。そんな中で正確な情報を聞き出すのは極めて困難です。

それに全国各地から電話が来ます。方言で話される方もたくさんいらっしゃいますので意味を理解するのにも一苦労です。

ミスや重要な事の聞きこぼしが無いように事前にマニュアルが用意されています。しかしこちらの質問が長引いたり、聞き直したりすればお客様は怒り出します。

ロードサービスで手配するレッカー車は警察やレスキューではありませんのでサイレンを鳴らして現場へ直行する訳ではありません。

したがって現場到着時間も渋滞状況によって大きく変わってきます。

ですがお客様は電話をして5分程度で現場で来てくれると思っていますので、レッカーの到着予定時間(通常30~40分程)を告げるとご立腹になる方も珍しくありません。

人助けをしているつもりでもお客様に叱られる毎日。勿論入社したてで私自身の対応がスムーズでは無かった部分も多いのですが、想像していた世界とのギャップに酷く落ち込み悩みました。

このままではうつになってしまうと思い、先輩に相談をしました。

その先輩はもう十年になるベテランです。その先輩も入社したての頃は私と同じように悩んでいたとの事です。

「考え過ぎずにロボットになった気分でやればいいよ」とアドバイスして貰いました。

こちらが感情移入すればする程落ち込んだり悩んでしまって自分の体が持たなくなってしまうとの事でした。

確かにその先輩はどんな理不尽なクレーム対応にも淡々と対応していますし、どんなにお客様に怒鳴られても仕事が終わるとケロっとした表情で何も無かったかのようにしています。

そのアドバイス通りに業務を行ってみたのですが、やはり事故後のお客様の力になりたいですし、ロボットのように淡々と対応する事は私には出来ませんでした。

ですが感情移入すればする程自分自身を追い込んでしまい「どうして自分はもっと力になる事が出来ないのか」と仕事が終わって家に帰ってもずっと考えていました。

その内に入社し2年目になった時、人と話をするのが妙に怖くなってしまったのです。

お客様との電話だけでは無くプライベートの電話ですら怖くなってしまったのです。

顔を合わせて話す分には抵抗が無かったのですが、相手の表情が分からない電話が怖くなってしまったのです。

これ以上仕事を続けても自分をダメにしてしまうと感じて退社する事にしました。

やはり人間には向き不向きと言うのがあると思います。好きだから続けられると言うのもありますが、好きだからこそ仕事にはしない方が良いと言う考えもあります。

私は人助けをするような仕事をしたかったのですが、結局は自分には向いていなかったようです。あまりにも真面目に考えてしまい自分自身を追い込んでしまいました。

私の気持ちが弱かったと言われてしまえばそれまでですが、現在転職をし製造業に就いています。直接的な人助けではありませんが間接的に誰かを助けている事になります。

人と話す事も少ない業種ですが今は毎日がとても充実しています。もっとお客様に喜んで貰えるようにどんな工夫をすれば良いのか考える時間が幸せに感じるのです。

仕事をする上で自分自身をダメにするほど精神的にも体力的にも追い込んでしまう事は良くないと思います。いくら努力しても超えられない壁があるのかも知れません。

これはネガティブな考えではありません。もっと他に自分の思いをぶつけられる方法があると言う事なんです。

自分の苦手な事を我慢してやり続けるよりも同じ目標に向かうのであれば、他の手段で自分に合った仕事をすると言うのも一つの道だと思います。