ネットワークインフラ整備に関わる仕事であったため、勤務中はひっきりなしに取引先の会社から電話がかかってきました。

たった一つのオペレーションミス、コマンドミスがきっかけで数千人、時に数万人単位の人間のインターネット接続が途切れ、最悪の場合法令に触れる可能性のある仕事です。

何一つ失敗出来ませんでした。更には指導役の先輩の人格が最悪なのに加え、社内の全体の空気も最悪の職場であったためにストレスは最高潮に達し、休日に眠っていても睡眠中に電話の音が聞こえる幻聴症状もありました。

ストレスが原因なのか、便の出が悪くなる、先の幻聴が理由で頭痛や睡眠不足はしょっちゅうで体重は入社時から5kgもの減量をしていました。

しかし、これはダイエットと言うより完全に負担の掛かる非常に良くない体重減少だったと思います。

あまりのストレスに、業務の休み時間中に「ここから飛び降りたら開放されるのかな」「死なないにしても大怪我をすれば保険金くらい出るかな」「それよりも入院すれば仕事しなくて済むな」と考えることはしばしばでした。

日頃、相談に乗ってくれていた仕事以外の友人からも「一年経たずにに辞めるのは社会的にも良くないだろう」と言う言葉もありなんとか一年勤め、先日この会社を退職いたしました。

その辞めるまでの半年の間もストレスに晒される日々でしたが、唯一のストレス解消手段は「食べ歩き」でした。

幸いにして周囲に様々な食事処が多く、更には飲み屋さんが昼間行っているランチ営業などもあり、これが大きなストレス軽減に繋がりました。

食べ過ぎたり、過度に高い品物は選ばず、手頃で美味しいお店を発掘すると言うフィールドワーク的な楽しみを第一に持っていくことだと思います。

むしろ食べ過ぎによる肥満や、高級品を食べての内臓への負荷、更にサイフ事情を悪化させるのが目的ではありません。

重要なのは、自分の行っていた仕事でもそうですが、ルーチンワークになりがちな思考をリセットするために入ったことがない路地に入る、食べたことがない料理を試すと言う冒険心です。

時には自分の舌には合わない食べ物やもあります。正直ハズレとしか思えない店にも入りました。

時にジャンクに、時に意外な高級食材に、時にヘルシーにと様々な味を堪能すると言う行動を続けていった結果、こうした試みが功を奏したのか頭痛の頻度は減り、また睡眠不良も少しづつ改善していきました。

体重も若干ですが退職時には入社時と同じ程度まで戻りました。健康診断の結果も良好で、献血に行った際にはセンターの方からも褒められるほど優良な健康状態になりました。

受け売りな言葉ですが、「食」と言う字は「人」を「良」くすると書きます。

熱いもの、冷たいもの、辛いもの、甘いもの、苦いもの、酸っぱいもの。舌が受けた数々の刺激が硬直しがちな思考や心にかなりの潤いを与えてくれたのは間違いありません。

また、プラシーボであるとは承知ですが様々な冒険をする事で心に様々な感動がありました。

ストレスがゼロになることは決してありません。これは絶対です。

迷った時は基本に立ち返る、普段からやっている事をして立ち返ると言う方法がある一方で、同じことの繰り返しや、あるいはずっとマイナスに沈み込み過ぎた時はこうして「普段やらない事」を積極的に取り組むと言うのが心に弾みを付け、周囲から受ける数々のダメージから回復したり、あるいは心を守るための方策になるはずです。

どうやって自分のテンポを作るのか、自分のテンポを守るのか、どうすれば硬直せずに日々を過ごせるのかと言うストレス対策の一つとしてこうした新しい刺激を積極的に取り入れると言うのも手だと思います。