私は、ホームセンターのオート部門のピット担当者(自動車整備工)として働いていました。

自動車整備士は国家資格を持っている作業員、自動車整備工は国家資格を持たない作業員を指します。私は、自動車整備工でしたので、自動車整備士になることを夢見ながら働いていました。

しかし、不満はありました。

まず、大型ホームセンター内の整備工場らしく、薄利多売の色合いが濃く、かなり、無茶な作業スピードを要求されることです。

さらに、上司が変わり、営業ノルマ的なことも厳しくなりました。例えば、「オイル交換を依頼されたお客さんにバッテリーを売れ」といったことです。

前の上司は「仮りに売れなくても、お客様に愛車のバッテリーが弱っていることを知らせるだけでも効果はある」と言っていたのが、新しい上司は「実際に売らないと意味がない」と言い、毎日のノルマが課せられました。

また、タイヤについても、シーズンローテーション(3,000円)を依頼されたお客様に、新品タイヤを売りつけるように指示されました。なぜ、ピット作業員がそこまでしなければならないのか解せません。

因みに、1,000~3,000円のオイル交換を依頼されたお客様に、10,000~30,000円のバッテリーを売ること、3,000円のシーズンローテーションを依頼されたお客様に、100,000円前後の新品タイヤを売るのは至難の技です。

また、職場の先輩・同僚に、意固地な(職人気質)人が少なくなくて、怒鳴られているうちは花という感じで、さらに機嫌が悪くなると、無視が始まります。

無視というのは、自分の存在を認められていないことなので、本当につらいかったです。

なので、この仕事に目をつけられてる方がいるとして、よっぽど手際が良い方か、よっぽど精神的に図太い方でないと、私はおススメできません。

さらに、あくまでホームセンターの従業員でもあるので、生活雑貨、ペット用品の品出しや、セール期間中は、店頭でのティッシュペーパー売りや、テントの片づけなどもやらされました。

しかも、服装はツナギなので、知り合いに見られると、かなり恥ずかしいかったです。

ピット作業としては、ディーラーとは違って、「お預かりタイヤサービス」というのがあって、タイヤのシーズンローテーションの時期にはかなりの重労働でした。しかし、ピットの仕事は専門性が高いので、他の部門からヘルプが来ることはほとんどありませんでした。

そんな会社でも、我慢して頑張れたのは、「国家資格を取って、自動車整備士になる」という夢があったからです。

自動車整備士の国家資格を取るには、筆記試験と実技試験をパスしなければなりません。しかし、実質、実技試験を飛び込みでパスすることは不可能に近いのです。

そこで、実技試験免除の制度を利用するのですが、そのためには、県の自動車整備振興会が開催する講習会(5か月、週2回、土日開催)を修了する必要があります。

すなわち、それは、5か月間、忙しい休日のシフトに穴を開けることになります。なので、会社の理解・職務命令を受けて講習に参加できるのは、1年にひとりが限界です。

会社は、私にいつも「次はお前の番かな」という雰囲気を漂わせます。まさに、馬の鼻先の人参です。

私としても、信じるしかないので、今、自分にできること、つまり、筆記試験の勉強は、仕事の終わった後や、休日に行い、合格するレベルに到達しました。

そして、今年も、講習の募集時期がやってきました。しかし、一向に声はかかりません。

それどころか、とある先輩から「お前は、作業が下手だから、当分無理」と言われ、仕事のモチベーションを保つことに苦労しましたが、しばらくして、会社を辞めました。