ヘルパーの資格を取り、老人介護施設でオープニングスタッフとして働くことになりました。

スタッフは15人程度で経験者も含め、同じ年代の子が多く、最初から全員で施設を立ち上げている感じがあり、スタッフの団結力が強かったのです。

ところが少しずつ仕事をし始めて、おのおのの個性が出てきました。マイペースで仕事をする人、楽しく仕事をする人、たばこをよく吸いに行く人、自分の意見を押し通す人、あまり他人と接しようとしない人など。

私はそれでもつらい介護職でしたが、仕事が楽しかったですし、数人の仲間が出来いつも励ましあっていました。

私と同い年の主任は、経験と知識はものすごくありましたが、いつもスタッフをターゲットにしていました。

ターゲットにされるとまず陰口をたたかれ、きつめのシフトにされます。仕事中もほとんど無視で、近くにいたら扉を強くしめたり、物に八つ当たりをします。

友人スタッフもターゲットにされました。あらぬ噂をたてられ、無視され、都合のいい時だけニコニコして、「私の何が気に入らないの?」と聞こうとした頃に友人へのターゲットは終わり、また別のスタッフをターゲットにしていました。

そして4年半ほど働いた頃です。ついに私にもターゲットがやってきました。何が気に入らなかったのか何がきっかけなのかはわかりません。少しは介護の経験もついてきた私のスタンドプレーが気に入らなかったのかと思ってますが。

約2ヶ月ほど無視されたり、八つ当たりをされたりしました。でも上司なので仕事に関してわからないことなどはお伺いをたてないといけません。

でもほとんど返事はありませんでした。苦しい毎日でした。同じ思いをした友人スタッフにいつも話しを聞いてもらっては、励ましあっていました。辞めたくて仕方ありませんでしたが、仕事は大好きでした。でもきついシフトと安い給料にも疲れていました。

ターゲット期間が終わった半年後くらいに、施設長が辞めるという話が入ってきました。特に大好きだった施設長というわけではありませんでしたが、上司に対して失礼ですが今まで一緒に施設を立ち上げてきた戦友という思いがありました。

そして朝の朝礼で施設長から辞めるとの報告がありました。噂では聞いていましたが本人から聞くとショックでした。

その後すぐに主任と私のペアで仕事を始めたのですが、また無視と八つ当たりがあって、私の中でぷっつーんと切れるものがありました。

「あ、今日辞めよう」と即座に思いそのまま施設長の元へ。「私も辞めます」今朝家出るときに辞めるなんて思ってもなかったのに、突然の思いです。

すぐに辞めるというわけにはいきませんでしたので1ヶ月後に退職いたしました。その1ヶ月間はなぜか主任は優しかったです。私がやめるのが嬉しかったんでしょうか?

介護という仕事は毎日苦悩の連続です。人間相手の答えのない仕事です。これでよかったのか本当に利用者さんは満足しているのかわかりません。手ごたえもありません。給料も本当に安いです。シフトもきつく夜勤は大変です。

そんな私の支えになってくれたのは友人スタッフ。いなければ即退職していたでしょう。皆のシフトで都合があえばいつも居酒屋で集まり、愚痴や夢や馬鹿な話で盛り上がり、またがんばろうと励ましあっていました。

特に人間関係の事を一人で悩んでも答えなんて出ないんです。相手がいるから。相手がどう思っているかなんて絶対わからないですから。

仕事が楽しくて仕方がないのに人間関係で終わってしまった私ですが、今も当時の友人スタッフとはずっとずっと友達です。これだけで私はあの介護施設で働いた楽しくて辛い日々がいい思い出になっています。今仕事で悩んでいる人、友は宝です。