大卒でPC用ゲームのシナリオライターとして入社しましたが、非常に少数の人員でやりくりして作らなくてはならない業界です。

儲かる業界ではないですが、新規参入の敷居が低い業界ですので、新設のメーカーやブランドに参加した場合にはシナリオ、イラストの2人で最小構成でラインが組まれることもあります。

私の所属したラインではシナリオ、イラストが2人で制作進行を合せて4人でした。

シナリオライターは自身のシナリオの他に、イラストやBGMの演出をするスクリプトを打ちこむことも兼務させられているので、演出の仕方を資料を見ながら勉強の連続でした。

演出やデバッグ作業も少し進めては確認、そして修正の繰り返しで、帰宅しても、休日でも時間さえあればパソコンと向き合う日々が始まりました。

そんな中で辞めたいと思ったきっかけとして、イラストを描いてくれている方から、「せっかく気合を入れて作ったのにセリフ2行で飛ばさないでくれ」とのクレームを受けたことでした。

人数が少ない閉鎖的な職場ですので、気まずい空気が流れてしまうと、それを打ち消す要素が無いのが一番の苦痛でした。

そこで、私は自分が間違っていない事を主張しました。

今にしてみれば、シナリオに合せてのイラストだと考えていたので、その他の作業を下に見ていたのかもしれません。

時間をかけて作ってもらったのは分かっていましたが、だからといってクオリティに関わる重要な部分を、時間をかけて作ったからとの理由だけで曲げる訳には行かなかったのです。

制作進行や社長にも相談をして話し合いをしましたが、最終的には揉めてイラストレーターがラインから外れてしまっては困るとの会社の方針で、私の方が折れることになりました。

その部分のストーリーを引き延ばして、ゲーム内で最も印象的なシーンになるように演出も行ったことで、ライン全体の一体感が生まれましたし、別の部分でぶつかった時には私の意見を尊重してくれました。

製作現場では個性と個性のぶつかり合いが日常茶飯事なので、自分の信念だけを貫いていては全体の作業が進行しないということを学びました。

入社直後には自分が考えている事と先輩たちの行動が一致せず、ストレスがたまるかもしれません。

実際に先輩たちの行っている行動は非効率的なこともあるのでしょうが、そこを一々指摘したり、もっと効率的な方法がある等と考えなくてもいいでしょう。

最初は言われたがままに受け身でいてもいいのだと思いますし、まだ社会人として始まったばかりですので、少し我慢してみましょう。

ただし、サービス残業が横行していて上司によるパワハラや、OJTという名目でろくな研修もさせずに飛び込み営業などをさせられた話はゲームの業界でも横行していますし、他業種の友人からはもっとひどい状況に置かれた経験を耳にしました。

これは自分の長い将来の事を考えて早めに見切りをつけて辞めてしまって構わないと思います。

最終的に、私は1年後に2作目が完成した直後に私は退職をしました。

もう少し会社で踏ん張っても良かったかもしれないと思う事はありますが、今は楽しく余裕を持って生活が出来ているので、会社を辞めたのは正解だと考えています。

給与が低い、寝ている時以外はほぼ仕事、会社内のコンペで何度も落とされて、褒められても何度もリテイクの毎日で体を壊してしまいました。

就職をしたら経歴に傷が付かないように3年間は我慢をするように等とメディアで報じられていますが、そんなことは無いと思います。

私自身も直ぐに他業種へ就職が決まりましたし、どうしても嫌だとか、将来自分がどのような形で活躍できているのかというビジョンが見えないのであれば早く見切りをつけて、転職活動を始めてしまった方が有意義かと思います。

もっといい会社に入って元上司や元先輩たちを見返してやろうくらいのバイタリティを持って楽しく社会人生活を謳歌しましょう。