私は高校卒業後、英語の勉強がしたくて女子短大の英文科に進学しました。

大好きな英語の勉強はとても楽しく有意義な時間でしたが、問題は就職活動です。当時は氷河期とも言われるほどの就職難の時代でした。

私が希望していた空港勤務、いわゆるグランドホステスの求人は皆無に等しく、手当たり次第に事務職や営業職などの試験を受けた結果、最終的に地元の信用金庫に何とか滑り込みで就職が決まりました。

しかし私は数字にめっぽう弱いタイプ。それなのになぜ金融機関から内定をいただけたのか今でもナゾです。

金融機関と言えばお金。お金と言えば数字。入社してからは数字に触れない日はありません。それどころか数字に追われる日々です。

しかも桁とかそんな生易しい数字ではなくて6桁や7桁は当たり前に日々登場します。前述のように私は数学が大嫌いで数字に弱いのです。

そのため、毎日が本当に地獄でした。伝票を書けと言われて書いたらすぐに間違う、機械にこの数字を絶対に間違えないで入力せよと言われて緊張しながら慎重に入力したにも関わらず結果的に間違い、お客様に多大な迷惑をかけてしまう…

今思い出しても情けなくなるくらいたくさんの致命的なミスを犯しました。

通常上司は新人のミスには寛大で、「ミスは恐れなくていい。その後気をつければ大丈夫。」とフォローしてくれるのですが、私の場合はミスの度が超えていたので、最初はフォローしてくれていましたが、月日が経つにつれてチクチク嫌味を言われたり、怒鳴られたりもしました。

入社して1年間はそんなことが続き、もう本当に自分にはこの仕事は向いていないよなと思い、2年目には真剣に退職してしまおうかとも思いました。

しかも2年目には直属の上司が変わり、鬼のように厳しくて常に怒鳴り散らしているような人が私の上司となりました。

この人の元では絶対にミスできないという緊張と焦りが私をさらに追い詰めます。

普段しないようなミスもまた増えてしまい、またしても怒鳴られる日々。精神的にも追い詰められていたと記憶しています。

でもどこか負けず嫌いな私。ここで向いてないからという理由で会社を退職したら、私に何も残らないし何よりも逃げるのが嫌でした。

だったら苦手なことときちんと向き合って、ひとつづつでもいいからしっかり仕事を覚えて自分のモノにしたらいいのでは?と気が付きました。

新人だし数字が嫌いだから仕方ない、という甘えを捨てる覚悟をしたのです。その日から仕事への姿勢が変わりました。

わからない仕事はとことん調べるなり、上司や先輩に尋ねるなどして徹底的に覚える、数字嫌いはどうしようもないから無理に好きになろうとはせずに仕事で必要なモノとしてせめて間違えずに入力したり書き入れたりする努力を怠らないように心がけました。

その結果、2年目にはまだまだミスはしたりもしましたが、3年目にはかなりミスも減り、怒られてばかりだった私が上司に褒められるまでになりました。

結局辞めることはせずにその後入社から6年ほど働かせていただき、結婚を機に退職しました。

向いていないと感じながら仕事を続けるということは本当に辛いという気持ち、私には手に取るようにわかります。

自分も本当に辛かったですから…。この仕事は自分に向いてないから辞める、という行為はとても簡単です。

何事も逃げ出すことなんてとても簡単なのです。でも、それで本当に悔しくないのか一度立ち止まって考えてみて欲しいです。

自分に向いてない事を惰性で続けることも決していいとは言えませんが、安易に向いてないと決めつけるのも良くはありません。

せめてあと少しの努力をしてみませんか?そうすると、もしかしたら何かが変わってくる可能性もあります。