私が仕事を辞めようか悩んだきっかけは、会社の要求する仕事量と、自分が達成できる仕事量に違和感を感じたからです。

私は新製品を開発する部署に所属し、IT技術者としてパソコンや電子部品をいじりながら、日々を過ごしていました。これだけ見れば、かなり優遇されているように見えるかもしれませんが、実情は無茶な要求に応え続けるだけの雑用でした。

仕事を辞めるか悩みはじめたのは、私が仕事を「早く終わらせすぎた」のがきっかけです。

最初はある案件で一週間も貰えていた開発期間が、三日で全て完了させてしまうものだから、まったく新規の案件であっても三日しか時間がもらえない。

難易度など考慮されずに、その案件の特殊性も無視されたうえで、営業部が「すぐできます!一週間でいいですか?」なんて顧客に提案するものだから、本来は一ヶ月もかかる仕事が半分以下の時間で終わらせることになる。

こんなことが続いたある日になって、私は残業漬けの毎日になった。帰りは日付が変わってから、朝の七時には会社に出勤しなくてはならない。

上司には元から「もう無理です。時間が短すぎます」と直訴しても「xxの件は数日でできたでしょ?今回も余裕だよ。泣き言を言わずにやれ」と突き放される。拒否権なんてありません。

これが、辞めるか悩むことになったきっかけです。そして、結論から言えば、私はその職場を退職しました。

最初は無茶振りも仕事だと割り切って、終わらない仕事を取捨選択しながら社内の調整をしました。必死に関係者へ頼み込んで、スケジュールや顧客との折衝をしてもらったのです。

上司には新規の案件を入れないように頼みながら、仕事量を見えるように管理していました。しかし、それでも悪夢は終わらなかったのです。

上司や営業が、顧客に今までと同じ態度で応じてしまい、新しい案件を持ってくるのです。ただし、それで済めば、まだ、まだ我慢の限界には達しておりませんでした。理不尽な逆切れをされるまでは――。

「お前は残業の量が多すぎる。私が上から怒られたじゃないか!仕事も期限内に終わらせないくせに!」

私はその日、退職を決意しました。残業は一切するなと、それでも仕事の量は減らさないと、納期もずれることはないと、この無茶にどう応えれば良かったのか、私には分かりませんでした。

ひとつだけ、もし同じような体験をされている方がいましたら、そんな職場は早々に辞めることをおすすめします。私が遭遇した理不尽の一端は、以下のような三つの項目。

・上司が機能しない(末端が全てスケジュールを管理し、報連相は機能しない)

・仕事量が追いつかず、さらに遅れていく負の連鎖が止まらない (是正する体制がなく、ミスをしても取り戻す仕組みがない)

・なのに残業は認められない(これだけが、よく分からない)

もうひとつ、私の仕事環境を言っていませんでした。私の所属した研究開発の部署は、私ひとりでした。

人の追加要望も聞き入れてもらえず、相対的に仕事量が増加し続けるのに、処理して終わらせる人がいない。

会議室でひとり立たされて、平社員であった私が、経営者の方々から罵倒されることもありました。上司が言うには、全て私のせいらしいです。

その数日後、退職届を出してもひと悶着がありました。上司からは罵倒の嵐、経営者からは逆切れのオンパレード。

「辞めないでくれ、仕事量が多すぎるなら改善する」

しかし、三回ほど「NO」と言ったら、手のひらを返したように言うのです。

「なんで私がこんなに頼み込んでいるのに、意固地になって辞めると言うんだ!馬鹿じゃないのか、君は!」

下げる頭は、私を引きとめるよりも価値が大きいらしいです。

「こんな程度に耐えられないようじゃ、他でもやっていけないぞ?」

貴方に心配されることではありません。そう思っても口にはしませんでした。

以上、こんな酷い職場もあるんだという内容になりましたが、これより劣悪な職場もそうないと思います。

救いがあるとすれば、恫喝まがいに罵倒された職場でも、それ以降は一切の音沙汰はありません。安心してください、辞めれば全てリセットされます。

もし、辞めたくて死ぬほど追い詰められている人がいたら、すっきり辞めることをおすすめします。

世の中には、私達が知らない理不尽なことがあって、それらに理屈は通じません。