メーカーの営業職をしています。仕事の内容は、中小企業の社長さんを相手に自社製品を売る、上司と二人三脚の営業です。

今の会社には転職して入りました。前社での営業経験があったから採用されたのかなとは思うのですが、営業と言っても様々。

業界やお客様も違えば営業スタイルも違います。そこで上司と常に同行営業となるわけですが、この上司がくせ者でした。

上司はとにかくキレる。口癖は「あまり俺を怒らせないほうがいい」。このセリフを最初に聞いたときは、「あれ?俺漫画読んでた?アニメ見てた?」と二次元の世界を体験できるかのようです。

そんなある日、上司はお客様の書類を間違ってシュレッダー処理してしまいました。

自分自身の行動にキレていました。百歩譲ってその気持ちはわからなくはないですが、書類はもちろん手元になく、シュレッダーの機械は蹴り飛ばされて壊れてしまい、挙げ句の果てにシュレッダーからつなぎ合わせてその書類を何とかしろと自分に命令する始末。

もちろんそんなことはできるはずもなく、最終的に手土産を持ってお客様のもとを訪れ平謝りで書類を再作成するに至りました。そんなときは上司は同行しませんが。

こんなサイコパスと一緒の時間を過ごし、毎日のように怒りのエネルギーを受けているとだんだんと自分も怒りぽくというか、精神がおかしくなってきます。

精神がおかしくなるのは、肉体的なケガと違い時間をかければ回復するというものではありません。

当時転職したてではありましたが、会社を辞めないと取り返しのつかない自分になってしまうと言う恐怖から退職を考えました。

とはいえ、こんな短期でまた転職活動というと、転職活動の大変さもさることながら、そもそも次に面接をしてくれる会社から見て、「なぜ辞めたのか?」が最大の関心事になってきます。

今の状況を正直に言って採用されるわけはなく、少しでも会社にとどまることを考えました。

そこでとりあえずは1日1日を区切って耐える。ことを目指しました。ずっと上司と一緒と考えると気も重いですが、1日だけ一緒。1日だけ一緒。と考えると、終わりが見えてきます。

1日を耐えられないときは数時間だけ一緒。数十分だけ一緒。と時間を短くし、とにかく終わりを考えるように努めました。終わりが見えると人間なんとかなるものです。

また昆虫ではないですが、上司をよく観察することにも努めました。怒りは確かにすごいけれど、本当に1日中怒っているわけではありません。

人間ですから波があります。怒っている時間より怒っていない時間の方が多いのです。それは当たり前ですが、発見した時はなるほど!と思いました。

今思えばそれほど自分も病んでいたのかもしれません。

そうこうしていると、ほんの少しではありますが、これは雷が鳴るな、嵐が来るなと災害を予知できるようになってきました。

予知ができると、対処の仕方もわかってきます。何が起こるかわからないのは恐怖ですが、起きることがわかっているなら心構えもできて幾分恐怖も和らぎます。

結局、その上司は部署異動で自分と離れ、今は別の上司と同行営業を続けています。

自分と同じような立場にいる方へ何かお伝えできるとするならば、一度はあえて出来事と向き合ってみることをお勧めします。

自分の場合は次の転職がないかもという理由から向き合わざるを得ませんでしたが、だからこそ時間を区切って考えることや、観察という手段を編み出せたのかなと思います。

もちろんそうでない場合は追い込まれる前に、やっぱり逃げるという選択肢も持っていて下さい。

ドラマのタイトルではありませんが、逃げるはなんとかで必ず役に立ちます。退路を断つなんてかっこいいことは言葉だけで十分。選ぶ道がない。逃げ道がない状態は危険なだけでしかありません。

まず自分には選ぶことができる。会社のいいなりではない。ということを認識し、思考停止に陥らないことです。考えさせない奴隷を作ることがブラック企業の仕事なのですから。