映像関係の専門技術職についていました。そこでは、テレビ番組の制作などをしていました。

しかし、テレビ局勤務ではありません。制作会社などから依頼を受けて、ナレーションの吹き込みや編集などをしていた会社でした。

映画や映像にからむ仕事がしたくて、大学に行きながら、専門学校にも通って、ようやく入る事の出来た業種でした。

毎年、新人が入ってきても、すぐにやめてしまう業種でしたので、私が勤務したその会社だけがブラックだったというわけでなく、業界全体にそうした傾向があったのではないかと思っています。

具体的には、いちど仕事に入ると、日付けをまたぐどころか、翌朝まで仕事となる事すらありました。

それも、ごくまれにではなく、頻繁にありました。また、仕事の休みが決定するのが数日前という直前であり、まったくスケジュールを立てられない状態になりました。

好きで飛び込んだ業種でしたので、給料が多少安くても、また現状の労働環境が多少きびしい仕事でも、将来の夢につながればと思い、がんばっていました。

しかし、こうした勤務状態を何年も続けているうちに、私の体が限界を超えていました。ある日、めまいと吐き気を覚え、仕事中に倒れてしまいました。

それでも、こうした超過労働さえなければ続けたい業種だったので、会社に労働環境の改善を訴えました。

しかし、「労働時間はうちの会社の意向でそういう労働を作っているわけでなく、大手クライアントの意向でそうなってしまっているのだから、改善は難しい」と言われてしまいました。

会社には、他にも同じ技術職の人が何人かいました。そして、その全員がその状況を改善したいと思っていた事、また私たちがやめると、そう簡単には専門的な知識が必要な機材を動かせる人は集めることが出来ないだろう事で、みなで抗議をしました。

それでも会社のとの話し合いはうまく行きませんでした。私は、自分の人生を考え、このまま5年後、10年後もここでこういう仕事をしていて、それは本当にいい人生なのだろうかと考え始めました。

同じ映像系の仕事でも、クライアントの要望で言われた事を進めるという作業のような職場ではなく、自分で企画立案をしたり、自分で映像を撮影したりする仕事は出来ないかと思い、ひそかに転職活動を始める事にしました。

しばらくして、よい転職先が見つかり、私は会社を移りました。次の会社も給料こそよくありませんでしたが、会社は社員の将来の事などにも目をかけてくれているし、そういう過酷な労働も強いられなかったので、なんであそこで長年がんばっていたのか、もっと早く転職すれば良かったと思いました。

クリエイティブ系の仕事の場合、自分で望んでその業界に入った人が多いかと思います。

先日、テレビのドキュメンタリー番組を見ていて、日本のアニメーションを作りだしているアニメーターの人たちの過酷な労働環境と、彼らの将来など考えていない使い捨てのような使われ方を見て、まるでかつての自分のように感じました。

技術専門職は、キャリアがないと雇ってくれません。ですから、業界に入った新人の頃は、仕事を教えてもらっているのだと思って、多少はきつくてもがんばった方が良いと思います。

しかし、一人前の仕事が出来るようになったら、話は別です。今度は我慢せずに、職場を変えたり、積極的なキャリアアップを目指した方がいいと思います。自分で会社を作る事を目指してもいいと思います。

私にはそれは出来ませんでしたが、私の先輩は以前のクライアントさんから信頼を得た上でフリーランスとなり、みごとに成功させました。

自分の人生と照らし合わせて、転職やキャリアアップを考えるのが大事だと思います。