私が教師の仕事を辞めたいと思った理由は、理不尽な親の対応に職員全体が追われることが、非常にばかばかしくなったことです。

GWが空けて1,2週間くらいの時期にいわゆるキラキラネームやDQNネームと呼ばれる名前を付けられた子、中性的な名前を付けられた子の親が「名前を間違えて呼ぶなんて!」「男女間違えるなんて!」とクレームをつけてきました。

数名の教員や講師が、名前の読み方を間違えたり、男の子に「苗字+さん」、女の子に「苗字+くん」づけで呼んでしまったというのです。

ちょうどこの時期、どこのクラスも席替えをしていて、まだ新しい座席表ができていなかったり、新しい座席表には苗字しか振り仮名が振っていなかったりしたのが原因です。

また、出席簿を見て「今日は何日だから、何番の○○さん」といった当て方をしていた教員もいたのですが、男女混合名簿のため下の名前を見ても性別がはっきりせず、「くん」と「さん」間違えてしまったとのこと。

GW明けの時期とはいえ、四月の1週目は春休み、2週目は始業式やらガイダンス、健康診断などで授業がなく、実質4,5回しか会っていない生徒たちです。

担任ならいざ知らず、講師など35人いるクラスを10クラス担当していました。

昔は、顔写真付きの名前一覧を家に持って帰って覚えることができたようですが、今は個人情報で禁止されています。4回会っただけで全員フルネームで顔と名前を一致させろというのが無理な話です。

電話でネチネチと何時間も話したり、学校まで乗り込んできたり・・・。

この件のせいで毎日のように再発防止策を検討するという会議が開かれたり、保護者対応中の教員がいるために会議開始が大幅に遅れて、結果部活に顔を出せなかったこともありました。

電話をとってしまった先生や、保護者が来た時に対応せざるを得なくなった先生は、その場をずっと離れられず、授業の質問に来ていた生徒が30分以上待っていたことも。

読み間違えられた生徒本人は、ケロッとしていて「今までもよくあること」と軽く受け流しているのに、保護者のせいでほかの生徒たちが大きな被害をこうむったのです。

生徒をないがしろにするために教員になったわけではないのに、なぜ生徒を軽んじた対応をしなければならないのだろうかと、学校を辞めたくなりました。

私、および教員側が具体的な解決方法を提示できたわけではありませんでしたが、解決しました。

生徒自身が保護者に対して、学校への抗議をやめるよう強く要望したり、生徒自身が行動をとったからです。

読み方の例でいえば、個人特定のため仮名ですが「真珠」と書いてなぜか「ルビー」と読ませる子がいました。

保護者は知らなかったようですが、この子は改名に向けた手続きをするべく、ネットでいろいろ調べて実績作りをしていました。

これを保護者が知り、子供が悩んでいたことにやっと気づいて家族で話し合ったようです。

「くん」「さん」に関していえば、「ひなた」「あおい」など中性的な名前の子や「伊織」「千尋」など本来男性の名前を付けられた女の子とたちが、教員に間違えられたものの、本人たちは「社会人なら男性にさん付け、女性に君付けもある」「幼稚園の頃からずっと悩んでた」「恥ずかしいからいちいち学校に言わないで」「先生たちは悪くない」などと親に訴えたようです。

とはいえ、数件も呼び間違えがあったことを重く受け止め、学校側座席表や名簿に男女がすぐわかるよう、赤と青のラインマーカーを引く対策をとりました。

今後、性同一障害の生徒などがいた場合どのようにマーカーを引けばよいのか、何のための混合名簿なのかなど課題はたくさんありますが・・・。

教師の仕事でくだらない、と思うことはたくさんあります。

会議の内容でも「そんなのどうでもいいじゃないか」と言いたくなるようなこと、「それを話し合うなら、もっと生徒と直接かかわっていたい」と思うことが山ほどありますし、保護者からの苦情も単なるいちゃもんでしかないものもあります。

そんな時、支えになってくれるのは生徒です。生徒のために頑張ろう!と原動力になることもあれば、生徒が驚くような成長を見せてくれることもあります。

嫌々教壇に立つのは生徒にとって失礼です。生徒たちは、教員を実によく見ています。

鬱々としていればすぐに気が付きますし、教員室内のトラブルにも敏感に反応します。どうしても無理だと思ったら、辞めることも1つの手だと思います。

ですが、教育者としての責任はきちんと果たしてください。突然来なくなったり、後任に引き継ぎをせずに辞めたりはしないでください。

できれば年度の終わりまで、どうしても無理なら学期の終わりまでは生徒たちを見てあげてほしいのです。