塾講師として、集団授業の教壇に立っていました。担当していた生徒数は小学生は1学年5名~10名程度、中学生では、1クラス20名~30名でした。

勉強を教える難しさは入社1年目に痛いほどわかりました。私が塾講師を辞めたいと思ったのは、生徒の態度でした。

露骨につまらなさそうな態度をとったり、明らかに話を聞いていなかったり、勝手に遊んだり、寝たり、教室外へと出て行ったりとまさに学級崩壊状態でした。

そのとき、厳しく注意をしても反発。上司に相談しても、「俺のときはそんなことはない。お前の注意の仕方が悪いんだ。」と言われてしまい、どうしていいかわからない状態でした。

このままではいけないと思い、自分にできること、自分が変えれることを模索しました。

まず、生徒一人ひとりをきちんと見ること。好きなこと、嫌いなこと、性格、所属している部活、趣味等々、覚えれるべき情報をすべて暗記することをしました。

顔と名前を一致させることはもちろん、生徒個々のことを知ることから始めました。

すると、1か月、2か月と立っていくうちに、反発していた生徒と授業外で会話ができるようになっていきました。

勉強以外の話題(部活やアーティスト)のことで盛り上がり、送迎だけでなく、放課後に私のところに来て話をしていくようになりました。

次に、授業中、教室を走り回ること。これを一生懸命やりきることに徹しました。

多くの教師が、ホワイトボードの前に突っ立って、生徒に解説をし、問題を解かせています。

そのような上目線の指導ではなく、走り回って生徒の書いている答えを目にして、一人一人に的確に指導することを心がけました。

すると、生徒の誤解答に目がいくようになり、自分の解説で誤解を与えてしまっている点に気づくことができ、解説の修正をすることも可能になりました。

そして、何よりも、「この先生は私のことを見てくれる。」と生徒一人一人が感じてくれた点もこの行動をしてよかった点だと思います。

最後に、記憶をすること。これに対して全神経を集中させていました。

生徒の使っている筆箱、ノート、字の書き方、ノートの取り方、髪型、服装、靴等々、直接勉強に関係ない部分でも、一人一人の特徴を記憶し、その変化に気づけるように心がけました。

やはり、教師という職業は、子供の変化に気づき、迅速な対応が求められる職業です。

彼らは思春期真っ只中。大人からすれば小さなことでも、彼らにとっては大きな悩みとなり、精神的ストレスにもなります。

それにいち早く気づき、悩みから解き放ってあげることが、私たち大人にできることです。

内面の変化に気づくために、まず、目に見える子供の1つ1つの変化に気づこうとしました。

すると、はじめはなかなか気づけなかった子供の変化に気づけるようになり、次第に抱えている悩みを解消できるようになりました。

塾講師というのはとても大変な職業だと思います。

本音を言わない子供、いえ、本音を言えない子供が増えている中、いい塾講師との出会い1つで、子供の将来が大きく変わってしまいます。

今、時代はことなかれ主義になってきていると思います。

塾講師が対応をしないと「責任をとれ」、教師が対応をしてもその対応で納得いく結果が得られないと「責任をとれ。」

どの道責任を取らないといけないなら、踏み込まないほうがいい。

ですから、見て見ぬふりをする教師も増えてきているように実際の現場に立っていて感じました。

でも考えて見てください。子供には何の罪もないのです。子供は自らの意志で、反抗的になったり、反発したりするんではないんです。

「この大人は信用できる」

そう子供が思ったとき、本当に純粋で、素直なリアクションをしてくれるのが、子供いいところです。

まだ染まりきっていないからこそ、黒くすることも、白くすることも可能な子供。

子供が悪いと決めつけず、子供は自分を映していると思うことができれば、自分を変えることができ、真正面から生徒と向き合え、彼ら一人一人の未来をいい方向へと導いていけるのではないでしょうか。