警察官になって色々取り締まりをしてみたいと一時期思ったことがあり、高校卒業後に北海道警察の採用試験を受けました。

何とか試験に合格することができ、札幌市南区真駒内にある警察学校に入学し、訓練を終えて交番勤務がスタートしました。

私が最初に勤務した交番は、札幌市中心部にある交番で、事件捜査というよりは、事件にならないような喧嘩等の仲裁に入ったりするような仕事が多く、事件があっても交番勤務は初動のみの対応で、所轄の署の人間が事件捜査に携わってしまうことから、交番の勤務が楽しいと思ったことはありませんでした。

警察の組織は、事件があればその地域を管轄する署が全て事件捜査をするのですが、事件の種類によって署の中でもどの課が捜査に携わるか決まります。

例えば刑法関連であれば刑事課、それ以外の特別法であれば生活安全課、道路交通法が関わると全て交通課といった感じです。

私は事件捜査の花形である刑事課に行きたくて希望を出し続けていたのですが、結局交番勤務スタートして2年後、札幌中央署の交通課に異動が決まってしまいました。

札幌中央警察署は北海道内でもかなりの激務地であるため、非常に不安がったのですが、希望していた刑事課に行けなかったことに非常に落胆してしまった部分がありました。

異動後は交通課で、交通事故での事件捜査ばかりをこなしており、殺人といった凶悪犯を取り締まるような、昔警察官に憧れた時のような夢とは違い、淡々と交通事故で人を怪我させてしまったとか、人を車で轢いてしまったといった事件ばかりの捜査でした。

もちろん、どんな事件や事故であっても、実際に被害を受けた方々は非常に辛い出来事を経験してしまっているわけですから、事件捜査に重いも軽いもないのは確かですが、警察官の仕事として花形の刑事になれないのは、自分の求めていた夢であった仕事にはなれなかったと思うようになりました。

おまけに、休みもあまりなく、事故があれば大抵呼び出しがあり、昼夜問わず仕事をしている状況で、20代の自分の周りの友達が休みを満喫している話を聞いていてうらやましく思うようになったのが、最終的に警察官の仕事を辞職した理由でもあります。

夢を掴むためにも刑事課の仕事をしたいと思えば、交通課から刑事課へ異動することもひょっとしたら可能だったかもしれませんが、20代前半の内に事件の場数を踏んで沢山経験を積まないといけないのに、交通法規事件捜査専門で経験を積んでしまうと、なかなか刑事課に足を踏み入れても、その経験値の差は刑事の足元にも及ばない事態に陥りかねません。

諸先輩方でも交通課から刑事への道に戻った方も居ましたが、やはり刑事課の畑は経験値が高い方が立場が上で、交通課上がりの者に対してはよそ者扱いのような雰囲気で、結局付いて行けなくなってしまい、交通課に舞い戻ってくる先輩もいました。

そういうことを聞いていた私は結局のところ、交通課で頑張るか、仕事を辞めるかの選択しかないと考えるようになり、私の場合は辞職して解決させたのです。

警察官は訓練学校を卒業して必ず最初に交番に勤務しますが、その交番勤務の次に警察署での勤務が待っています。

交番での勤務成績等で、署のどこの課に上げるかを上司が更に上の幹部等を介して人事に上申することから、交番勤務時期から、どこの課に行きたいかを明確に上司に話をしておいたほうが、私のような失敗はないと思います。

警察官はやりがいのある仕事だと、私は辞職して別の仕事に就いてから更に思うようになりました。

一つ一つの事件や事故に同じものはありませんから、初動対応を含めて一つも同じような対応はありません。

現場での事情聴取も、事故概要も、事件捜査についても、全てが千差万別なのです。

そういった意味では、毎日オフィスで仕事をして同じような内容の業務を日々淡々とこなすような仕事とは異なりますから、やりがいのある仕事であることには間違いないと思います。

自分の所属している課がどんなに希望通りでなくとも、その課でどんな仕事が警察組織の役に立っているかを考え直し、少しでもやりがいを見つけられるのであれば、警察官を続けていく方が良いでしょう。