当時はバブル時代の真っ只中。大手企業グループに事務員として勤務していた私は、仕事にやりがいを感じられず、毎日悶々とした日々を過ごしていました。

多分、そんな気持ちを抱いていたのは私だけではなく、その会社に勤めていた女子事務員に共通していたことだったと思います。その会社では事務員は、若い女の子を各部門に一人ずつ配置していました。

主な仕事は、言葉は悪いですが愛想をふりまくことが一番の仕事でした。あとはお茶くみやコピー取りが主な仕事でした。それは、ちょっとしたおかざりのような感じです。

そして、結婚を機に退職するといった形がスタンダードでした。ですから同期の男性からは、腰かけはいいよなぁと心無い言葉に傷つきました。

女性は、入社して何年たっても仕事は変わりません。入社して3年経つと、そろそろ結婚したらどうかと露骨に言われます。だから結婚する予定がなくても先輩方は退職していかれました。

そして、そんな荒波にも負けず頑張っておられる方にはお局扱いし、あまり目立たない部署への配置転換が待っています。

そんな中でも頑張っておられるので、お局様はどんどん強くなっていき、年下の女性に日頃の鬱憤を晴らしていきます。あっちにもこっちにも敵がいました。

しかし、私たちだって仕事はしたいのです。入社して1年目ならともかく、2年経ち、3年経てば微力かもしれませんが、会社の力になりたいのです。

別にお茶くみやコピー取りが嫌だと言っているわけではありません。与えられた仕事ですのできちっとこなします。礼儀作法も自ら学んでいきました。

いろいろなスキルを身に付けようと、みんな一生懸命努力していました。ところが、ここで心無い男性の言葉に何度心が折れてしまったことか。その度に事務員の仲間たちで励ましあってきました。

そんな時、事務員の中の一人が結婚しても働きたいと上司に言いました。その上司は、何とか思いとどまるように彼女を説得していました。

でも、彼女の意志は固いものでした。まもなく、彼女は配置転換になりました。その部門には、今まで事務員がいないところです。そんなところへの配置換えは明らかな嫌がらせでした。

でも、彼女は頑張って続けると言いました。なぜそんなに頑張るのか聞いたら、誰かが前例を作らないとこの会社は変わらないから、と言い、その勇気に私は敬服しました。

彼女の結婚する相手の方も同じ会社の方でした。会社は、彼女がプレッシャーに屈しないとわかると矛先を変えました。今度は相手の方にプレッシャーをかけ始めたのです。

さすがの彼女もそれには折れてしまいました。泣く泣く会社を退職したのです。そんな一部始終を私は目の当たりにし、憤りを感じていました。

そして同じ頃、私も入社3年目を迎えていました。上司からは毎日のように嫌味を言われるようになっていました。こんな嫌なことが重なって、私は会社を退職することに決めました。

もちろん結婚なんて全然決まっておらず、まだまだ先のことです。退職の日。口々に「お幸せに」といって送られることの違和感といったらありませんでした。

私は、すぐ次の勤務先が決まりました。その会社は女性の管理職もおり、今までとは雰囲気がまるで違います。私は、その会社でも事務員をしていましたが、内容は全く違います。

女性でも責任を持ち、長く勤務ができました。

現状を受け止めて、そこで耐え忍びながら勤務し続けるのもひとつの方法かもしれませんが、一度リセットしてまた新たな会社へ飛び込むのもいいと思います。

私は後者を選んでよかったと思います。

そのためには普段から自分のスキルアップを考え、万が一に備えることを忘れないことです。それも人知れず行うといいと思います。

今までの私の経験上、どこで妬みの種が落ちているかわからないからです。気をつけることに越したことはありません。