私は幼い頃から好きだったファッションに関する仕事に就きたいと思い、新卒でアパレル関係の会社に入社しました。担当は紳士服と紳士雑貨を扱う部署で、販売と売場の運営管理を任されました。

段々仕事にも慣れてきた入社3年目、20代も半ばになってきた頃です。今後の将来が現実的に気になるようになってきました。

周囲では結婚する友達や、子供を授かって仕事を辞める友達もいます。もちろん独身の人もたくさんいるし、勤めている会社は福利厚生がかなり整っているので条件は良いのです。

先輩女性の働き方も十人十色ですので、私は今後どのように人生を過ごしていきたいのか悩みました。当時の私にはお付き合いしている彼氏がいて、将来結婚も視野に入れていました。

ですが都内と北陸地方の遠距離でした。結婚したら東京を出て他県に行かなければなりません。実はファッション以外にも他に興味がある業界がありました。

もし今の会社にいるまま結婚が決まり、そのまま他県に引越ししたら、興味のある他の業界に何も触れることなく人生が進んでいくのかと思うと、今の仕事を辞めるのは今しかないのではないかと思いました。

ある程度仕事の流れが見えてきて、諸先輩方の仕事の様子もわかってきた入社3年目だからこそ、まだ若い20代のうちに今の仕事を辞めて挑戦したいと思うようになりました。

ですが、なかなか踏み出すことが出来ませんでした。辞めたいと強く思ってはいても、行動に移すことはまた話が別でした。

今抱えている仕事やお客様との信頼関係、もし辞めるにしても、後任のスタッフを育てたり売場の環境を整えたり、取引先との折衝の引き継ぎなど、やらなければならないことはたくさんあります。

辞めると思い立ってすぐ明日辞めるというわけにはいかないのです。永続的にこの会社にはいない気がするという自分の意思を信じて、少しずつ辞めるための準備を始めました。

まずは後任のスタッフを育てることにしました。私の抱えている仕事を少しずつ覚えてもらい、なるべく仕事を分配するようにしました。

次に、信頼できる上司に早いうちに相談しました。上司は初めのうちは引き止めようとしてくれましたが、真剣に話をするうちに理解してくれ応援してくれました。

そしてある程度後任のスタッフが育ち、仕事がひと段落してきたところで売場のスタッフ辞める取引先にも辞める旨を伝えました。

驚きながらも、私が辞めた後の売場環境はある程度整っていて、見通しが立てられたので皆安心して送り出してくれました。

その後他の業界で仕事をしてみて、前職とはまた違った仕事のやりがいと新しい人間関係を得て、大きな充実感を感じることができました。

現在お仕事へ悩んでいる方へ。仕事は世の中に本当に無数の数存在し、その中でどの仕事が自分がやりたいことか、できることか、向いていることか、考えるだけで気が遠くなりそうです。

なかでも20代は吸収力や勢いもある年代ながら、人と比べてしまったり、年収や福利厚生、仕事のやりがいやプライベートとの両立、女性なら特有の結婚と出産など、悩むことの多い年代だと思います。

私はもう30代目前なのですが、最初の新卒の会社を辞める時の一歩が、とっても重く踏み出しにくいものだったことを覚えています。

せっかく就職活動をがんばって入った会社を、たった3年で辞めてしまっていいのか、その先の生活は保証できるのか、でも他にやってみたいこともある。そんなことを強く思って考えていたため、なかなか踏み出せませんでした。

でも今思うのは、辞めてよかったということです。もし心のどこかに何か引っかかることがあるのなら、その気持ちは何よりも大切にした方がいいと思います。

自分の人生ですし、職業は今の時代何度でも選択できます。選択したいものがなければ自分で作ることもできます。もし今、仕事で悩んでいるのなら、自分の心の声をしっかり聞いて、ぜひ勇気を持って踏み出してみてほしいと思います。

何事も過程は不完全です。それを支えるのは自分の信じた気持ちだと思います。