以前、私は雇われ店長としてショットバーを経営していました。

オープンに当たってオーナーと交わした契約条件は、売り上げの30%を納めること、上下水道及び電気水道などの公共料金は私名義で契約して売り上げの中から支払うこと、家賃はオーナーの持ち物件なので支払わなくてOK、経営スタイルは自由、というものでした。

1日の平均売上は20万円~30万円で、週末や忘新年会やイベントの時期になると100万を超える日も珍しくはありませんでした。

そんなある日、私は急に体調不良になってしまい、オーナーに電話で「1ヶ月ほど休養しなくてはいけない、お客様には連絡をしておくから1ヶ月営業をお休みさせてほしい」と連絡し、承諾を得て営業をお休みしていました。

休養していた1ヶ月の間、オーナーがお見舞いに来ることもなく、私からもオーナーに連絡することもなく、私は無事体調を取り戻して久しぶりに開店準備をするべくお店に行きました。

すると既にお店には灯りがついており、なんと看板まで変わってしまっていて、お店の名前も別のものになっているではありませんか。

恐る恐る店の扉を開けるとそこには見知らぬ男性がおり、私に「いらっしゃいませ」と声をかけてきました。

驚いた私は慌ててオーナーに電話をかけ、どういうことか説明を求めました。

するとオーナーは、1ヶ月も店を空けるようなやつには店長を任せられない、と言うのです。何を言っても、お前には辞めてもらう、の一点張りで取り付く島もありませんでした。

仕方なく私はオーナーのもとへ向かい、休養する旨をきちんと伝えたこと、今までの経営に不備はなかったこと、不当解雇にあたるのではないかということを訴え続けました。

しかしオーナーは「お前は無責任だ、辞めてもらう」の一点張りで、とうとう私1人の力ではどうすることも出来なくなり、その日は泣く泣く帰宅しました。

帰宅して考えたことは、まず私名義で契約してある電話や公共料金の支払いを解除しなくては、ということと、職を失った以上新しい就職先を探さなくてはいけない、ということでした。

幸い私の古くからのお客様に会社経営をしている方がおり、その方に相談したところ弁護士を紹介してくださいました。

弁護士のアドバイスのもと、不当解雇分の給与の補償と次の仕事が見つかるまでの失業保険を出してもらうこと、そして私名義の店舗関連の支払い義務があるものを全てオーナーが負担することを条件に、解雇を承諾しました。

なんとも後味の悪い解雇のされ方でしたが、弁護士さん曰く、休養するにあたっても書面で通知しておいたほうが良かった、休養中もこまめにオーナーと連絡をとり、体調はどうであるか、いつ頃復帰できそうかを打ち合わせしておくべきだったとのこと。

オーナーが休養を承諾したのはあくまで電話口の口頭での約束だったため、その後の連絡や報告を怠ってはいけなかったのです。

以上の私の経験上、

  1. 必ず信頼のおける従業員をいくら小規模なお店だからといえども最低1人は確保しておくこと
  2. 自分に何かあったときにオーナーの不利益にならぬよう配慮し、また自分も不利益を被らないように契約内容をよく確認すること
  3. いざという時には司法の手を借りることも視野に入れておくこと

この3点はきっちり抑えた上で、経営に踏み切ってください。

また、もし自分が体調不良などで休養せざるを得なくなった場合には、休養期間中であっても、オーナーとは密に連絡を取り合い、信頼を失わないように努めてください。

私のようなトラブルに巻き込まれないためにも、体調管理も仕事のうちだと思って、十分に注意してほしいです。