私は、ある施設で障害のある方々の日常生活のお世話をさせてもらっていました。

食事やトイレ、お風呂や起床・入床の介助まで、一通りの介護を不規則な勤務で行っており、その過酷さから入社してすぐに辞めたいという気持ちは、軽いものでは何回もありました。

しかし、本気で退職を悩んだのは、入社して3年が経った頃でした。きっかけは、入居していた方の一人から、暴言・暴力を受け始めた事でした。

理由は分からず、本人に聞いても「気に入らないから」とのことでした。

勤務によっては、私一人でそのかたを見なければならないことも多々あり、更に、私に暴言・暴力を行うのは、他の職員が見ていない場面も多かったため、なかなか周囲に辛さが分かって貰えませんでした。

私自身も、「私は介護をする立場なのだから、私がしっかりしていれば無くなるはず。分かって貰えるはず。」と、一人で抱え込んでしまっていました。

しかし、そのうちに、私の言うことを聞かずに無視していた入居者さんを見て、周囲から、「お前は仕事をしっかりしていない」と誤解されて怒られるようになり、その言葉と終わらない暴言・暴力に疲れ果て、辞めることを考え始めました。

退職を強く考え出した頃、同期の同僚が私の異変に気付き声を掛けてくれました。私は、あまりの辛さに、初めて自分の状況や退職の意思を話しました。

すると同僚は私の話を真剣に受け止めてくれ、上司にきちんと状況を話すよう諭してくれました。私は、同僚の後押しもあり、上司に報告をしました。すると、すぐさま会議で、この問題を取り扱ってくれたのです。

話を聞いた人の中には、「そういうことは早く報告をしないとダメだ」「今まで何をしていたんだ」等とキツイ言葉を発する人もいましたが、「今までよく耐えたね」「気づいてあげられなくてゴメンね」という温かい言葉を頂き、その後、暫くその入居者さんと距離を置かせて貰うことになりました。

その際、「何でも一人で抱え込まなくて良いんだよ」「問題から距離を置くことは、必ずしも逃げるという意味ではないからね」等という言葉も掛けて貰い、とても気持ちが救われた気がしました。

周囲の方々からの温かい言葉や配慮に支えられ、その時は退職は免れました。入居者さんからの暴言・暴力も、暫くして無くなり、元の仲の良い関係に戻ることができました。

私の職種、上記の体験談は、なかなか一般のかたの悩みとは重ならないことかと思います。

ただ、これだけは同じかなと思うのは、辛いときには一人で抱え込まず、まずは誰かに相談して貰いたいということです。

「どうせ話してもどうにもならない」と思うこともあるかと思います。また、誰かに話せば必ず問題は解決します!とも正直言い切れません。

ただ、一人で抱え込んで悩んでいるよりは確実に良いです。悩みにたいして、分かってくれる人は必ずいます。支えてくれる人は必ずいます。

例え悩みが解決しなくても、誰かと話すことで、少なくとも気持ちはかなり楽になり、自分自身に余裕が生まれます。自分自身に余裕がないときは、何をしても、どんな状況でも、全てがマイナスに捉えられてしまいます。

そうすると、ただただ落ち込んで、更に上手く行かなくなるばかりです。私は、その事を、今回の出来事で学びました。悩みごとによっては、人に話すのが恥ずかしいと思うかもしれません。

でも、悩むばかりで、ずっと上手く行かないよりは良いと思います。

職場に、何でも話せる同僚を一人でも見つけてもらえたら良いかなと思います。私も、同期の同僚がいたから、頑張れたという思いは強いです。私のこの体験が、少しでも悩んでる方々の参考になれば幸いです。頑張ってください。