長く勤めたいと思って一般事務ではなく、経理事務を選びました。その中でもプロフェッショナルになりたかったので会計事務所に就職しました。
最初は税務の用紙1枚とってもなんのことだか、さっぱりわからず、苦労しましたが、そのことでやめようとは思いませんでした。
入社して3年が過ぎたころには一通りのことが理解でき、できるようになっていました。仕事は大変でしたが、やりがいがありました。その会社には先輩が2名いたのですが、私は入社当時から生意気なところがあったようで、いじめられていました。
仕事を教わるときも、2度聞き返したら、前も言ったよねなど嫌みをいわれたりしていました。でもそれで辞めたいとは思いませんでした。
悔しかったので、誰にも聞いたりせず自分で仕事をやってみせると強い気持ちでいたので、かえって目標ができて燃えていたくらいです。そしてさらに知識を得るために夜間の専門学校に通い、税理士資格を目指しました。
そうするとさらに知識がついて、先輩たちからも仕事の内容、処理について相談されるようになってきました。入社して5年くらいで、便りにされるようになり、周りからも認められ仕事量が急激に増加しました。
物理的に処理が追いつかない状況になり、自分に余裕がなくなって、疲れていました。それからも、年々仕事量は増えていきました。私は周りに仕事を振ることができませんでした。
社長には現状を報告していましたが、それまで大きなミスはしたことがなく、いくら理論的に仕事量が多い状態を伝えても理解されませんでした。入社して12年経った30代のときには、毎日あと1年で辞めようと思っていました。
とにかく疲れ切っていて、気持ちの落ち込みがひどくなって、会社に行くのがつらくなりました。自分のなかで1年という区切りを設けていたので、そこまでの辛抱辛抱と言い聞かせながら会社に行っていました。
そんな風にしているうちに体に異変が起きました。まったく眠れない日が続いて、心を病んでしまいました。それでも辞めるといえず、最終的に入院になって、そのまま仕事復帰のめどがたたず、辞めることになりました。
仕事を辞めたので、ある意味解決ですが、そこまでになるほどに自分自身が追いつめられていたとは、考えていませんでした。
今振り返ってみると、そこまで頑張らなくてよかったのにと思います。自分が頑張りすぎて周りがみえなくなって、自分自身も見失って、何のために働いていたのかわからない状態になっていましたので、自分の心と体の声を聞いてもっと自分に正直に生きていくのがいいと思います。
私はこんなことがなかったら、もっとひどいことになっていたかもしれないと思うことにしています。途中で辞めた自分をダメな奴と思わずに、よくここまでやったねとほめてあげないとと今は思います。
辞めたおかげで改めて自分に何ができるか、何がしたいのか、見つめなおす機会になりました。
辛い体験はすべて無駄にはならず、その後の人生に生きてきます。なにも心配することはない、なんとかなります。
たとえ仕事を辞めたって、心と体が健康ならどうにでもなりますので、自分自身を大事にしましょう。会社の人の代わりはいくらでもいますが、あなた自身のかわりはどこにもいません。
たとえ今がつらくても、また笑える日が絶対にきます。今も私は病気をかかえながらも、まだ違う会社ですが、働いています。やはり働くことが好きなのです。
でも自分の限界を知ってので、そこまでに達しないように毎日楽しく会社にいっています。結果辞めてよかったですが、その会社の経験も無駄にはなっていません。
すべては自分の糧になります。だから、大丈夫ですよ。