市の運営する施設で受付・案内行をしていました。お客さんが入館するさいに入館の手続きをすることや館内を案内しお客さんが快適に見学することができるようにサポートすることも仕事でした。

親子連れをメインにした施設だったので土日・祝日は子供連れが多く館内はとても混雑しています。子供はとにかくうるさいので館内は幼稚園のような状態になります。

また、親は子供を自由に遊ばせることができるのでほとんど面倒を見ないことが多いのです。それでも、私たちの案内にきちんと従ってくれる親子もいます。

その人たちがうるさくて公共心のない人たちのせいで館内を楽しめないということのないようにしなければいけませんでした。モンスターペアレントという言葉の通り、多くの親は子供を全く面倒見ていませんし、子供があぶない場所で遊んでいても何の注意もしません。

私たちがどんなに一生懸命対応しても協力してくれようとはしませんでした。そんな毎日が続いていましたが、それでも頑張ろうと思っていました。

しかし、ある日とても忙しい日にまたいつものように子供が泣きわめいたり、ほかのお客さんに迷惑をかける行為をしていたので私は注意し案内を続けていました。

しかし一向に子供は静かにならずいつまでもふざけてさわいでいました。途方に暮れる私を見ながらその子の親が「マジうける。子供に必死になりすぎなんですけど~」と指をさして笑ってきました。

自分の子供がうるさくしているのに他人事のように笑ってみていられることにも驚きでしたし、案内している人を馬鹿にすることも信じられませんでした。

また、その何日かあとに別の方を接客していると、その人が思っているよりも料金がかかってしまうことに腹を立てられました。

その人は料金を支払わないまま館内に入ろうとするので、そのことを制止し料金について再度説明しているとその人は急に財布から千円札を出して私の顔に投げつけてきました。「これでいいんでしょ!!」と吐き捨てて館内に入っていかれました。

最初、一体何が起こったのか戸惑ってしまいましたがよく考えると信じられないことをされたことに気づきました。

そういったストレスのせいで体はボロボロになっていましたし、どうしてこんな思いをしてまでこの仕事をしているのかが分からなくなり辞めたくなりました。

そのことでずっと悩みいつ上司に報告しようか悩みながら何日が過ごしていると、あるお客さんからシャーペンを貸してほしいと頼まれました。その人はノートを持っていましたので、私はシャーペンと消しゴムとノートを置くためのバインダーをセットにして貸し出しました。

返すときは受付に返してもらえればそれでいい、こともお伝えしそのまま他のお客さんの接客をしていました。フロアには案内するためのパンフレットなどが置いてある小さなテーブルがあったのですが、そこに私の仕事道具も置いていました。

その小さなテーブルに貸し出したシャーペンと消しゴム、バインダーと一緒に小さな紙を置かれていました。さっきのお客さんが置いたものだ、とわかりましたが小さな紙はその人の忘れ物かもしれないと思いその人を探しました。

一応紙を見ていると「ご親切にありがとうございました」と書かれた私への感謝のメッセージでした。ずっと仕事を辞めたい、こんな嫌な気持ちになるためにここで働き始めたんじゃないと感じていた私にとってその小さなメッセージは救いになりました。

お客さんが快適に楽しめる空間をサポートするのが楽しくてやりがいを感じて始めたんだ、そのことを見てくれる人はちゃんといるんだ、と思えてまたやる気がわいてきました。

仕事は99パーセント嫌な事です。仕事が心から楽しいと感じる日などないのかもしれません。でも、残りの1パーセントで一瞬でもこんな仕事もありかもしれないと思えたらその仕事を続ける価値はあると思いました。