私は新入社員で損害保険会社に入社し、そこで7年間、保険金支払査定の業務に携わっていました。

保険金の支払査定というと馴染がない方も多いかもしれませんので、簡単に説明しますと、損害保険会社の場合、自動車保険や火災保険などの損害保険を販売し、自動車事故や火事など事故があった際に保険金を支払いしますが、査定業務は実際にいくら支払するのかを決める仕事です。

損害保険会社のマーケットシェアは自動車保険の割合が圧倒的に高く、損害保険の査定と言えば、90%の割合で自動車事故の処理にあたる仕事をすることになります。

この仕事は想像を絶する辛さでした。そもそも私は、公認会計士の資格勉強をしていたこともあり、マーケット調査や資産運用、主計など会計業務の仕事を希望し、入社しました。

日商簿記1級の資格も有していましたので、そういった関連の仕事だろうと思っていましたが、実際に配属された場所は保険金の査定業務という想像もしていなかった場所でしたし、勤務地も山口県という縁もゆかりもない場所でした。

横浜で生まれ、育ち、大学までの22年間を東京・神奈川で生活してきた私にとって、初めての地方生活は本当に退屈で暇なものでした。頼れる友人もおらず、仕事の内容もつらく、それを発散できる場所もなったので、本当に精神的に参りました。

以上のことがきっかけで、入社半年で仕事を辞めたいと本気で思っていました。

そんな私ですが、何とか7年間同じ仕事を継続して続けることが出来ました。どのように当時の悩みを解決したか、ご紹介したいと思います。

私にとって大きかったのが、当時発売されていた『憂鬱でなければ、仕事じゃない』という本に出会えたことです。

この本のキャッチーなタイトルに触れて、当時、購入し読破しましたが、幻冬舎の見城氏とインテリジェンスの藤田氏が仕事はお金をもらう以上、苦痛を伴うものであることを語っており、励まされ、仕事に対する考え方が変わったことが大きかったと思います。

特に成功を収めた二人がそのように語っているからこそ、妙に納得感があり、励みになったのだと思います。また、当時の私の考え方は、本当に甘いものでした。

一流大学を卒業し、一流企業に入って、そうしたら人生成功できると思い込んでいた節があるからです。仕事では関係のない学歴などに固執もしていました。でも、仕事に学歴は一切関係ないということをその本を読んで、理解出来た気がします。

仕事である以上、どれだけ結果を残せるか、付加価値が生み出せるか、それ以外に評価軸はないわけです。

当時は、仕事することが嫌いで、怠けたいという甘い考えもあったのだと思います。

その考え方を一変して、仕事が出来ることの有りがたさ(例えば、病気で働けない人もたくさんいるわけです)やお金をもらうことの尊さ、仕事があることのありがたみ、当たり前と思っていたことに対して、感謝の思いを持ててから、仕事に対して臨む姿勢が変わりました。

仕事に不満があるのであれば、辞めればよいと思います。でも、企業で安定した業務につけていることは当たり前のことではありません。自分一人で事業を展開していくことは、本当に大変なことだと思います。

少なくとも私にとっては、本当に難しいことだと思ったので、希望していた仕事内容とは大きく違いましたが、一生懸命、今の仕事を頑張ろう、集中しようという気持ちを持つことが出来、悩みを解決出来ました。

私は、仕事を辞めたいと思っている人がいれば、辞めても全然良いと思います。但し、その選択・判断に責任を持つことが出来ることが条件だと思います。

辞めた後に、自分で別の仕事を探したり、起業したり、自分で稼げる当てがあったり、自信があるのであれば、人生は1回しかないわけですから、今の仕事に固執する必要は全くないと思っています。

でも、仕事を辞めて、実家に居候したり、友達から借金をしたり、誰かに迷惑をかけるのであれば、それはお勧めしません。新卒とはいえ、もう22歳なわけですから、自分の判断・決断には責任をもつべきだし、それによって誰かに迷惑をかけるのは違うことかなと思います。

もちろん、いろいろな事情があって、迷惑をかけるつもりはなくても頼らざるを得ない状況というのはあるでしょうから、一概に批判するつもりもないですが、少なくとも決断に対する責任を伴うことが出来るのか、そして、自分の人生に対する自覚・覚悟というのをしっかり持って、判断して頂きたいなと思います。

但し、電通事件のように、抱え込みすぎて、後に引くことが出来ない状況になるくらいなのであれば、すぐに会社は辞めたほうが良いと思います。

人生の正解・選択は1つではありませんから、悔いのない生き方をされてください。