銀行の営業職として入社し、中小企業・大企業の外回り営業をしていました。

職場は毎日が戦場のようで、新人も中堅も営業担当者はノルマを達成していないと容赦なく怒鳴り散らされ、「実績上げるまで帰って来るなよ」などと言われる日々。

実績を上げている同僚は、取引先に都合のよい情報だけを伝えて半ばだますような営業をしていて、とてもマネする気持ちにはなれませんでした。

「新人の頃だけ我慢して乗り切れば、その後は楽になる」というのなら我慢できたのかもしれませんが、40近い中堅社員も毎日怒鳴られ、「家のローンもあるし辞める訳にはいかない。これだけ毎日けなされていると、段々何も感じなくなってきて少し楽になるよ」などと言っていました。

この先もずっとこのような環境で、段々自分の性格が歪んできてしまうのではないかと思うと、一体いつまで頑張ればいいのだろう?その先に明るい将来は待っているのだろうか?と色々な疑問が湧いてきて、ますます仕事に身が入らなくなってしまいました。

思い切って上司に相談したところ、「そんなの簡単だよ、今の環境を自分への試練だと思って、逆境を楽しもうと思えばいいだけだ」という一言。

戦後のような時代錯誤の考え方に、全く共感することができずますます思い悩んでしまいました。近しい先輩にも上司にも共感することができず、毎日が辛くて辞めたいと本気で思い始めたのはこの頃でした。

共感できないとは思いつつも、上司の言う通り逆境を楽しもうとしてみたり、何を言われても落ち込まないように自分に言い聞かせてみたりと色々試してみましたが、やはり気持ちが晴れることはなく、仕事も空回りしてまた怒鳴られるという悪循環に陥りました。

職場環境は変わらないので、自分の気持ちをコントロールするしかないと思っていたのですが、それも無理だと感じて、残った選択肢は会社を辞めることでした。

それまで営業以外の部署に異動したいと相談しても全く取り合ってくれなかった上司は、私が辞めたいというのを聞いて手の平を返したように「なにも退社しなくても、営業以外にも部署はいくらでもあるんだから」などと言い出して、その態度にますます失望してしまったことが退職の最終的な決め手になったと思います。

わがままを言って違う部署に異動しても、このような企業文化の中で劇的に環境がよくなるとも思えなかったので、何の未練もなく辞めることができました。

退社を決めた当初は、社内やまわりの友人からは「せっかくここまで頑張ったんだから、もう少し頑張ってみれば」とか「お給料も上がってきたのにもったいないよ」などと言われて決心が揺らいだこともありました。

でも、結局自分が納得できないまま・自分をだましたまま仕事を続けてお給料をもらっても本当に幸せにはなれなかったと思います。

今はお給料はだいぶ下がりましたが、自分に合った仕事を見つけて毎日楽しく働いています。会社に行くことや働くことが楽しいなんて、以前の職場では想像もできませんでした。

「仕事のやりがい」といった言葉は、自分にとっては全く関係のない架空の言葉のようでしたが、今はやりがいを感じながら働くことができています。

現在の仕事に悩みを抱えている人は、まず職場の環境を変えることができないか・自分のマインドセットを変えることができないかを考えてみるべきだと思います。

でもそれでも解決できそうにない場合は、会社を変えるという選択肢もあることを念頭においておくことが大事です。会社を辞めることを「逃げ」とか「負け」とか言う人もいますが、自分をだましながら現状を維持するのが勝ちとは限りません。

どうすれば自分が納得して働けるのか、それが一番大事なポイントだと思います。