某証券会社のサラリーマンとして、働いていた時のことです。当初、経営理念や経営者の情熱的な姿勢に感動して、入社を決意した会社でした。

しかし、入社間もなく、期待を裏切られました。わたしは営業職に就いたのですが、勤務は朝9時半から深夜の24時くらいまで。

いわゆる、ブラック企業です。営業職なので、融資を希望する企業とアポイントが取れると、電車を使ってその会社のオフィスに向かいます。

それを毎日、数件こなしていました。場合によっては、利息の支払いが滞っている会社にも赴き、債権の回収も行ないます。

当然その都度、電車賃が発生します。ところが、交通費は全て自分持ちです。

もちろん、残業代も支給されません。基本的には、終電に乗れたらラッキー、乗れなかったらタクシーで帰宅することもありました。

会社の用意した寮に住んでいましたが、住まいは完全に寝るためだけのものと化していました。

営業の仕事はきついものだとよく言われます。しかも、それが金融機関ならば、尚更です。ある程度のきつさは覚悟の上でしたが、予想をはるかに超える過酷さでした。

これでは、近いうちに体を壊すだけだ。体力が持つのは、30~40歳までだろう。体を壊せば、再就職するしかない。

いつ再就職するかの違いだけで、辞めるなら若いうちが良いだろう。そう思い始め、退職を考えるようになっていきました。

とはいっても、最初のうちは、いつ会社を辞めようか迷いました。

なぜなら、会社を辞めたところで、次のプランはまだ決まっていなかったからです。

いま辞めても、再就職は覚束ない。その後の予定、計画、展望がはっきりと固まるまでは辞められないと思いました。

もし再就職をするのなら、最低でも3年は勤務してからでないと、採用試験で不利だとよく聞きます。

それもあり、1年未満で退職してはフリーター以外に選択肢はないのだろうとも思いました。

入社半年程度でブラック企業の恐ろしさを身に沁みて体験したわけですが、もう少し踏ん張らねばと退職するタイミングを決められない日々が続きます。

しかし、入社2年目になり、会社に対する嫌気は日増しに増していきます。

一体、自分はいつまでこの会社で仕事をし続けるのだろうと苛立ちを感じ始めました。

最終的には、再就職にこだわる必要はないのではないかと思うようになっていました。

フリーターでも、ふだんの生活に困らない程度のお金なら稼ぐことは可能です。

フリーターを続ける中で、もっと自分に合った業界や職種が見つかれば、そのとき考えても良いのではないかと考えました。

結局、わたしは1年半弱で退職しました。わたしと同じように就職できたものの、入社前に思い描いていた会社、業務内容と違い、退職を考えている人もいるでしょう。

もちろん、再就職を希望するのなら、最低でも3年は辛抱してみるのも手だとは思います。

しかし、必ずしも再就職だけが選択肢とは思いません。最近では、定職に就かずフリーターをする人も増えています。

また、派遣会社も多く、決して裕福とは言えませんが、生活に困ることはありません。

そもそもサラリーマンが向いていない場合であれば、いっそのことフリーターになることも考慮しても良いのではと思います。

無理をして体を壊すくらいなら、給料が少なくともフリーターの方が健全で快適な生活が送れます。

とはいっても、わたしの場合には、フリーターを続ける中で、ある友人から起業家サークルを紹介されて、そのサークルの存在を知ったことがきっかけとなり、起業を決意しました。

このように、正規社員のほか、フリーターになってみたり、起業してみたりと選択肢は1つではありません。

自分がしたいことは何か、自分の送りたい人生はどんなものかを、改めて考え直すのも良いのではないでしょうか。

もし今の会社が最善だと思えれば、辞める必要はないでしょう。明らかに自分に合っていないと思えば、こだわる必要はないと思います。